雪と貴方
朝目が覚めると寒さに体が震えた。
ゆっくり起き出してカーテンに近寄る。
勢いよく開けると目の前には一面の銀世界が広がった。
「わあ〜雪だぁ・・・・
道理で寒かったわけね」
今日はきっと学校休みだね〜と呟きながら、またベッドに戻ろうとした時・・・
「お前、ちゃんと学校行けよな」
いつの間に入ってきたのやら、そこには背中に刀を差した白い髪の、黒の着物を着た少年が立っていた。
「おはよう、冬獅郎。今日はどうしたの?」
「どうしたもこうしたもねぇよ。お前、この間俺の本盗んだだろ?」
そうなのだ。
実はこの間、冬獅郎がこっちに来たときちょっと拝借したのだ。
「いつ気付いたの?」
「今朝」
「速攻こっちに来たの?簡単には来れないって言ってなかったっけ?」
「普通の奴はな」
冬獅郎はぬけぬけと言う。
「・・・さすが冬獅郎様だね。そこいらの奴なんかより強いもんね」
「お前には敵わないけどな。ってか、話しそらすな」
何だバレた?と笑って言うと、冬獅郎は大きくため息をついた。
「冬獅郎、ため息つくと幸せ逃げちゃうよ」
「逃がしてるのは何処の誰だよ」
「もしかしなくてもあたしだね」
そう言うと冬獅郎はまたため息をつく。
「・・・・お前何で盗んだんだ?」
「人聞き悪いこと言わないでよ。ちょっと拝借しただけでしょ」
「あ〜、はいはい。で、何でだ?」
誤魔化すなよ、と冬獅郎が先に釘を刺す。
あたしは苦笑いをした。
「ただちょっと興味があっただけよ。
それに、あたしの力をコントロールするのに色々と知識も付けたかったし」
あたしが拝借したのは、気道の専門書みたいなもの。
小さい頃から霊力が高く、霊と話したり触れたりする事ができたあたしは、あまりにも強すぎるため襲われたりする事もしばしばあった。
自分の身を守るため、自己流で力をつけてきたのだ。
まっ、今回はなかなかの収穫だったわ。
「・・・・そういうことなら先に言えよな」
普通に貸してやるっての、と言って冬獅郎は眉間にしわを寄せてまたため息をつく。
「ごめんごめん。はい、本返すよ」
拝借した本を冬獅郎に手渡すと、もういいのかと聞かれた。
「一度読んだから。内容は頭の中に全部入ってるよ」
「楽な頭でいいな」
「まあ、特技の一つですから」
一度読んだものは絶対に忘れない、この特技は結構役に立つ。(テストのときとか)
「この後何かある?お茶していける?」
「いや、すぐに向こうに戻んなきゃなんねえから無理」
そう言って冬獅郎は本をしまい、刀へと手をかける。
「そっか・・・ねぇ、そっちも今雪降ってるの?」
「雪?・・・・そういえば降ってたな」
「へぇ、じゃあ一応天候は繋がってるんだ・・・」
「そうなんじゃねぇ?雪なんて寒いだけでいいことねぇけどな」
冬獅郎はまた眉間にしわを寄せる。
「そう?あたしは結構好きだよ。
それに、雪って冬獅郎みたいで親近感わくなぁ」
「俺みたい?」
「そっ。白いし、小さいし、冷たいし」
「つまり俺は小さくて冷たいって言いたいんだな」
「あと、すぐ消えちゃうところも一緒。いつ来てくれるかわかんないんだもん」
冬獅郎は目を見開く。
「こっちに来ても、滅多に家に寄ってくれないし。・・・・・たまには遊びに来てよ」
そう言うと、冬獅郎はバツの悪そうな顔をする。
「・・・・できるだけ顔見せに来るようにする」
ついでに時間あるときはなんか本も持ってきてやると言ってくれた。
それは冬獅郎なりの優しさ。
側にいられないことに気を使ってくれている。
そんな彼の優しさがとても温かくって、嬉しくなる。
「ありがとう、冬獅郎」
貴方が来るの、待ってるからね
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日番谷君第2弾!
友達以上恋人未満を目指してみました。
表現力なくてごめんなさい。_| ̄|○
一応前の作品と同一人物です。過去編みたいな?(←聞くな!)