「ほんとに出るの〜!?」
「あったり前でしょ!あんたしか居ないんだからね!」



は友達に引きずられながらグラウンドに足を運んだ。







直球ストレート










今日は球技大会。
私はバレーに出てたんだけど、野球に出てた子が怪我したということで代理で出ることになってしまった。
その怪我した子というのがソフト部のピッチャーで、代理で出るということは投げることが出来る子で。
昔野球をやってたという事実を知る数少ない友達が頼み込んできたのだ。
確かに自分のクラスには勝ってほしいと思うけど・・・



「ほんとのほんとに出なきゃダメ?」
「ダメ」
「う〜・・・」
「う〜じゃない。・・・そうね、勝ったらアイスでもおごってあげるわよ」
「ハーゲンダッツ?」
「・・・ちゃっかりしてるわね」
「ありがとう」
「(褒めてないっつーの)わかったわよ。買ってあげるから」
「やったー!」
「そのかわり絶対勝ちなさいよ」
「アイアイサー」



ラッキー!俄然やる気が出たわ。
よし、絶対勝つぞ!!







そんなこんなで試合に借り出され、キャッチャーの子にボールとグローブをもらう。
キャッチャーの子も一応ソフト部だから何とかなると思うけど。
ってか、野球やれる子がピッチャーとキャッチャーの二人だけで。
他の子は文化部だったり帰宅部だったりの、いわゆるインドア派の子が集まったチーム。
これって打たれちゃまずいんじゃない?



「よろしくね。さん」
「うん、よろしく」



ハーゲンダッツのため、頑張りますか。
































「準サ〜ン!!」



試合が終わり、水道で水を飲んでると利央が走ってやってきた。



「よう利央。どうしたんだ?」
「は、早く来てください!」
「は?」



思わず変な声が出てしまったが、「早く早く!」と引っ張る利央に連れられて俺はグラウンドに向かった。





























ドンッ!






「ストライク!」






わあぁあ!!






グラウンドではちょうど自分のクラスの女子が野球をしており、マウンドに立っている人物を見て驚いた。
彼女は帽子をはずし、流れてくる汗を袖で拭く。



!すごーい!」
さん頑張れー!!」



とクラスの女子が応援しているあたりあそこに居るのは本当に彼女なのだろう。
打席に立っているのは野球部でもちょっと有名な女子ソフト部の4番。
女の子でしかもピッチャーなのにもかかわらず結構飛ばすらしい。
が構え、ボールを投げた。






ドンッ!






「ストライク!バッターアウト!チェンジ!!」






外野は盛大に盛り上がる。
俺は驚きのあまり呆然とその様子を見ていた。






「すっげーいい音したでしょ!?」
「・・・ああ」
「俺最初から試合見てたんスけど、まだ1本も打たれてないんスよ!」
「それはすごいな。いい音がするしかなり回転がかかってるんじゃないか?」
「それにスピードも結構でてるな」
「「和さん、慎吾さん」」



フェンスから目を離すと、和さんと慎吾さんがいた。



「・・・彼女名前は?」
「たしか・・・だっけか?」
「そうッスよ。
「準サン、あの人何者なんスか?」
「俺が知るかよ」



和さんたちはそれを聞いて何か考え込むしぐさをし、どうしたのか尋ねようとしたら周りがいきなりざわめいた。
視線をフェンスに戻すとがバッターボックスに立つところだった。



「彼女が登場しただけでこのざわめきか・・・」
「あ、あの人前の打席でホームランも打ったんスよ!」
「へぇ〜、投げるもよし、打つのもよし、か」






カキーン!!





いい音がし、ボールは大きく弧を描いて場外に飛んでいった。






わあぁああ!!!






周りはさらに盛り上がる。
はうれしそうな顔をしながら塁を回っていた。






結局、彼女は誰一人として打たせず完封をおさめた。



























、お疲れさま」



試合が終わり、タオルで汗をぬぐっていると高瀬がやってきた。
その後ろには利央くんと島崎先輩とあと知らない人(たぶん先輩)の3人が居た。



「あ、高瀬。それに利央くんや島崎先輩も。あと・・・」
「野球部主将の河井和己だ」
「(げっ)初めまして、高瀬のクラスメイトのです」
サン試合勝ってよかったッスね!」
「ありがとう利央くん。勝ててよかったよほんと(ハーゲンダッツゲットしたし)」



私は笑顔で利央くんに答える。
すると島崎先輩がニヤニヤした顔をした。



「こんだけいいストレート持ってるんだし、変化球も投げられるんじゃないか?」
「(やっぱり)まさか。ストレートぐらいしか投げられませんよ」
「それにしてはボールの扱いなれてたみたいだけど?」
「(島崎先輩めざといんだから!)多少は野球やったことありますから」






ってもとは『榛名』か?」






バッと河井先輩を見てしまい、河井先輩はやっぱりという顔をした。



「どおりで・・・フォームも榛名に似てたし。もしかしたらと思ったんだが」
「な、何で知ってるんですか!?」
「一時期雑誌に載ってたんだ。知らなかったのか?」
「えっ!?いや、でもそれって結構昔の話じゃ・・・」
「そうだな・・・5年位前か?」
「なんでそんな昔のこと覚えてるんですか!」



思わず声を張り上げる。
どうしてそんな昔のこと覚えてる人が居るわけ!?



「ってことは榛名とは・・・?」



利央くんがおそるおそるといった風に聞く。



「血の繋がらない兄妹だよ」









「う、うそだーーーー!!!」と利央くんの叫び声がグラウンド内に響いた。





























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おまけ↓






「よかったな、準太」
「なっ、和さん!何言ってるんですか!?」
「気になってたんだろ?」
「・・・そりゃそうッスけど」
「兄妹つっても義理のだけどな」
「わざわざ揚げ足取るようなこと言わないでくださいよ慎吾サン!」















2006.8.26