教室で次の授業の準備をしていると、バタバタと廊下を走ってくる音が聞こえた。
そしてガシャンと大きな音を立てて入ってくる少年。
髪を振り乱し、慌てた様子だった。
「こんにちは、利央くん」
「あ、サン!チワス!!」
「どうしたの?高瀬なら職員室に行って居ないよ」
「え!?本当っスかぁ!?」
「うん。すぐ来ると思うけど・・・」
「そんなぁ〜・・・」
がくっと利央は肩を落とす。
あまりの落ち込みぶりに、は苦笑いを浮かべた。
「そういえば今日は朝練なかったの?」
「昨日雨降ったんでグラウンド使えなかったんスよぉ〜・・・」
「そっか。じゃあ今日はゆっくりできたんじゃない?」
「・・・間違えていつもどおりに学校に行っちまったけど」
「ぷっ!あはは!」
「笑い事じゃないッスよ!!」
「だって・・・!」
「り、利央もアホだなぁ」
「準サン!」
いつから聞いてたのやら、高瀬は笑いながら利央の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「痛いッスよ!準サン!!俺のこと馬鹿にしてません!?」
「今さらだろ」
「ひ、ひどいっすよぉ!!」
「あはは!!」
笑いが止まらず大爆笑する。
利央は悲しさと恥ずかしさのあまり涙目になる。
「サンも笑いすぎッス!」
「うんうん。ごめんごめん」
なんとか笑いを抑えながら、利央の頭を優しく撫でる。
利央の頭はふわふわしてて柔らかかった。
「・・・ねぇ利央くんの髪って癖っ毛?それともセットとかしてる?」
「セットとかは「してるひまねぇよな、寝坊して」
「寝坊なんかしてないッスよ!」
「つか寝癖だろ?」
「そんなことないッス!ほんと準サンひどいッスよぉ!!」
泣きつく利央に高瀬はすっごくきれいな笑顔を浮かべた。
ほんと楽しそうな顔をしてるなぁ〜
そう思っていると本鈴の鐘がなり、利央は急いで教室を出てく。
「そういえば利央くんなんの用だったの?」
「今日当たるからって1年のときの数学の問題集の答え貸してくれって泣きついてきた。
大方、宿題になってたのをやらなかったんだろ」
「・・・大丈夫なのかな?」
「さぁ?居残りさせられたりしてな」
高瀬は冗談で言ったつもりだったが、
放課後同じ一年の迅が「利央は数学の教師に居残りさせられたから遅れる」と伝えてきたときは思わず大笑いしてしまった。
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2006.8.30