柾輝とともに食堂に行くと、彼女はすでに来ていたらしく。
こちらに気付くと思いっきり睨んできた。
「あいつすっげー睨んでねぇ?」
「ホントだねぇ。まっ、怖くないけど」
そう言ってさっさと料理を取って翼の所に行った。
「翼、一緒に食べていい?」と言いながら、翼の隣に座る。
柾輝は私の横に座った。
ちなみに反対の横には六助がいる。
「いいっって言う前に座ってんじゃん」
「気にしない気にしない」
「どうせダメって言わなかったでしょ?」と言うと、「まあね」と言われた。
周りがざわめき始めた。
見てみると、そこにはカザ君が居た。
足元にはボール。
それを見ていると、柾輝が笑い出した。
「自分でやらせといて何笑ってんだよ」
「違うって。今のは思い出し笑い」
翼が呆れて言うと、柾輝が否定した。
「おかしな奴だなぁって思って。
ちょっとでもプライドがあったら、ボロクソに負けた相手に教えてもらわねぇよ。
それが逆に言われたことはするし、お礼まで言うし」
「怖い奴だろ」
「ああ、ああいうタイプが一番怖い」
二人が楽しそうな顔をする。
「邪魔になるプライドがないから、どこまでも貪欲に吸収しようとする。
ありゃ上手くなる時は一気にくるぜ」
・・・・・嬉しそうな二人には悪いけど、このあと大変なことが起きるんだけどな
思わずため息をついた。
すると二人は不思議そうな顔をしてこちらを見た。
私は気にせず席を立って、カウンターのほうへと向かう。
「おばさん、タオルくれません?」
「タオルかい?・・・・ほれ、持っていきな。何に使うんだい?」
食堂のおばさんが不思議そうに聞いてきた。
答えようとしたその時、
ガシャン!!! カラカラ・・・・
音のしたほうを見てみると、一馬がびしょぬれになっていた。
思わずまたため息が出た。
「・・・・あれに使うんですよ」
そう言って指をさすと、おばさんが苦笑いをした。
「お願いしてもいいかい?」
「ええ。何とかしますよ」
そう言って怒声を飛ばしている一馬のほうへと向かう。
いつの間にか一馬はカザ君に掴みかかっていた。
「ヘタクソがこれ以上何したって上手くなるか!
めざわりだ!場違いなんだよてめえは!!さっさと帰れ!」
「帰りません!」
カザ君は真剣な顔で言い返す。
一馬はキレかけていた。
「この・・・」
バシッ!!!
「そこまで」
止めに入ると一馬は驚いた顔をした。
カザ君はあたしが叩いた頭を両手で押さえて蹲る。
そんなに強かったかな・・・?
最近ストレス溜まってたからなぁ・・・・・・・後で謝っとこ。
そう思いながらも、持っていたタオルを一馬の頭の上に乗せてやった。
「一馬もその辺にしときな」
そういうと、一馬はバツの悪そうな顔をした。
「風祭君、練習するのは悪いことじゃないけど、ここは貴方の家じゃないの。
他人の迷惑も考えなさい。・・・もし相手が一馬じゃなくて、コーチだったりしたらどうするの?」
「一馬も。いくらなんでも言いすぎだよ。
かけられてムカついてんのは分かるけど、言っていいことと悪いことの区別ぐらいできるでしょ?」
そう言うと一馬とカザ君は申し訳なさそうな顔をした。
というか二人は、まさかあたしに怒られるとは思ってなかったみたい。
「「ごめん(なさい)」」
「分かればよろしい。
とりあえず、風祭君はここの後片付け。
一馬はシャワー浴びてきな。あっ、服は洗っとくから渡してね。
それから英士と結人、一馬とあたしのトレイかたしといてくれない?」
そう二人に向けて言うと、了承の言葉が返ってきた。
指示を周りに出して、一馬とともに食堂を出て行こうとした。
けどその前に事件が起こった。
「きゃ〜、こわ〜い。普通殴ったりする〜?」
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