熊野にて 〜2〜





「やっと着いた〜」


勝浦に着き、宿にたどり着いたときにははすでにくたくたになっていた。
部屋を二つとり、一つは知盛と将臣が。
もう一つはが泊まることになった。
は案内された部屋に荷物を置き、知盛たちの部屋で寛いでいた。


「ここまでの道のりは遠いし、人は多いし、もう本当にやんなっちゃう」
「あぁ、確かに人はたくさんいたな。まっ、法皇様がいるんじゃ仕方ないさ」
「はっ。気楽なことで・・・羨ましいかぎりだ・・・」
「つっても、知盛にとっては暇なのは嫌なんでしょ」
「まぁな」


そう言って知盛は立ち上がり、の腕を持った。


「えっ、何? まさか・・・」
「くっ。察しがついている様なら・・・行くぞ」
「やっ、ちょっと待って!これからするの?さすがに疲れたんだけど・・・」


が知盛に抗議をする。
さすがにここまでに距離があり、また目隠しもしていたため精神的にも肉体的にも限界に近かった。


「俺に、剣の稽古を頼んだのは誰だ?」
「そりゃあたしだけど・・・」


は口ごもり、将臣に目で助けを求めた。
それを見た将臣はため息をつきながら、助け舟を出してくれた。


「おい、知盛。今日くらい休ませてやれば?
疲れ切ってんのに稽古したって、怪我するだけだろ」
「・・・明日から、にしてやる」
「ありがとう!」


知盛が諦めたように言うと、は嬉しそうに言った。
知盛はため息をつき、の腕を解放して部屋を出た。












次の日。


約束どおり、剣の稽古をつけてもらうために知盛と共に山へと向かった。
広い平地にたどり着くと、そのまま稽古を始めた。


「やぁっっ!!」


ガキン


「こっのっっ!!]


ガキン


剣と剣のぶつかる音が周りに鳴り響く。
が攻撃を仕掛け、知盛がそれをかわしたり受け止めたりする。そして知盛が攻撃を仕掛けてきて、それをがかわしたり受け止めたりする。
その繰り返しだった。


ふと、の気が乱れた。
それを見逃さず知盛はの剣をなぎ払う。


「きゃっ!!」


その衝撃に耐えられなかったはそのまま尻餅をついた。


「剣を交わす間は、俺だけを見ろ・・・」
「あっ、ごめん。なんか雨のにおいがした気がして・・・
そっちに気がいっちゃった」
「雨・・・?」
「うん・・・やっぱり雨のにおいがする・・・」


がそういうと知盛は剣をしまった。


「知盛?」


が不思議そうに尋ねた。


「雨が、降るのだろう・・・今日はこのくらいにしといてやる。・・・帰るぞ」


彼らは山を降りた。
がいっていたとおりに途中で雨が降ってきた。
最初のうちはまだ小雨だったが、途中で本降りになってしまったため近くの木の下へと身を寄せた。


「うわ〜。思いっきり振ってきちゃったね」
「くっ。お前の言ったとおりだな・・・」


二人は雨に濡れないように身を寄せ合った。


そこへ誰かがやってきた。
二人はそちらへと目を向ける。


「あ〜あ、結構降って来ちゃったなぁ・・・」


その声を聴いたは驚いたように口をあけた。


「えっ、その声・・・望美・・・?」
「えっ、あっ!・・・っ!?」


望美はの姿を見て驚いた顔をしたが、その隣にいる人物を見るや否や表情を硬くした。


「あなたは・・・平知盛・・・」





<<  >>




++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

やばい(汗)
話がまとまんないよ(泣)