熊野にて 〜3〜
「ほう、お嬢さんは俺のことを知っているのか」
「知盛、彼女は源氏の神子の春日望美よ」
望美はの言葉にまたしても驚く。
「、知ってたのっ!?」
その言葉にはあっけらかんと答えた。
「だって、貴方の仲間に九郎さんとか弁慶さんとかがいたのよ。
普通は分かるわ。気付かないのは将臣ぐらいよ」
「くっ。確かに有川らしいな」
知盛は望美を見た。
「それにしても、お前が源氏の神子、か・・・
一度、手合わせ願いたいものだ」
「何言ってるの!?そんなの絶対ダメ!!!」
は声を荒げた。
「何故だ?俺たちは敵同士、なんだぜ」
「そりゃ、そう・・・だけど・・・・・でも、傷ついて欲しく・・・ない・・・・・」
はそう言って下を向く。
知盛はため息をついてを抱き寄せ、髪を優しくなでた。
二人の間に流れる甘い雰囲気に望美は戸惑い、目を逸らした。
すると、雨が止み周りが明るくなってきてることに気付く。
「あっ、雨が止んだ」
その言葉を聴いたは顔を上げ、耳を澄ませる。
ついでに知盛から離れることも忘れない。
知盛は少しだけ眉をひそめたが、誰も気付かなかった。
「ホントだ。雨の音がしない」
「じゃあ、あたし帰るね」
望美はそそくさとその場を去ろうとする。
「あっ、待って、望美」
は去ろうとする望美を引き止めた。
「どうしたの?」
「あたしたち、これから宿に戻るんだけど、どうせだし将臣にも会ってかない?」
「えっ、いいよ!そんなの!」
頑なに拒否する望美には近づいて知盛に聴こえないように言った。
「望美、将臣のこと好きでしょ?」
望美は一瞬にして顔を赤くする。
「ちょっ、!何言ってるのよ!!?」
「ごまかしてもダメ!顔、見えないけど、分かるもん」
その言葉に望美はさらに顔を赤くする。
「あたし、そんなに分かりやすい?」
「いや、そんなことないと思うよ。まぁ、女の勘、とでも思っといて」
「う〜」
「で、望美。行くよね」
は綺麗な笑顔で聞いた。
というか、聞いてるはずなのに言葉は肯定的だし、有無を言わせない笑顔だったとのちに望美は言った。
結局望美は将臣たちが泊まっている宿に行くことにした。
将臣はたちが望美を連れてきたことに驚いていたが、嬉しそうだった。
望美も将臣に会えたことを喜んでいた。
そして、また明日会いに来るということで望美は帰っていった。
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