11話 私は貴方が・・・
自分の気持ちに気がついてから2週間。
最初は戸惑ったが、今は普通に話せるようになった。
珍しく昼間なのに屋敷に居るヒノエと楽しくお茶をしているとき、はふと疑問に思った。
「そういえば、なんであの時あんなこと言ったの?」
「あんなことって?」
「えっ・・・・えっと・・・・・・その・・・」
「はっきり言ってくれなきゃ分からないよ、姫君」
ヒノエがそう言ってにっこり笑う。
「ヒノエ君分かってて言ってるでしょ!」
は顔を真っ赤にして抗議する。
「さあ、それはどうかな。俺が考えてるのとが考えてるのとは違うかもしれないだろう」
「〜〜〜」
ヒノエは飄々と答え、は言葉に詰まる。
するとヒノエが笑い出した。
「ふふ。ごめんよ、姫君。
姫君の口から聞きたかったのさ。
それで、お前は一体何をそんなに心配しているんだい?」
「・・・・・・ヒノエ君って熊野別当だからすごく偉い人なんだよね?」
「まあ、それなりに、ね」
「だから、その・・・あたしこのままヒノエ君のお世話になってていいのかな、と思って・・・・・・」
「ちょっと待って、姫君。どうしてそんな発想にいくんだい?」
「・・・だって、偉い人だから本物の許婚とか一人や二人や三人いてもおかしくないと思うの。それに、側室とかも娶ったりするんでしょ?」
予想外の言葉に驚いた声を出すヒノエ。
そんな中は言っているうちにどんどんと落ち込み始めた。
「・・・まぁ、立場的に娶らなきゃいけないんだろうけれど」
「だから、その・・・あたしが居たら邪魔、なんじゃないかな、と思って・・・」
はヒノエの顔が見れなくて下を向きながら言う。
するといきなり顔を上げさせられ、無理やり唇を奪われた。
驚いて目を見開き、離れようともがくが力でねじ伏せられる。
唇を無理やり割られ、舌を絡め取られる。
は段々力が入らなくなっていき、崩れ落ちそうになるのをヒノエが支えてくれた。
そして唇を離し、ぎゅっと抱きしめられる。
「が好きだ。
俺はお前が必要なんだ」
ヒノエの言葉には目を見開く。
ヒノエは彼女を逃がさないように抱きしめる力を強める。
「お前がここの人間じゃなくても、
たとえ他の奴らに別の女を娶れと言われようと、
俺はお前だけでいい」
涙が出た。
まさかヒノエの口からそんな言葉を聞けるとは思ってもいなかった。
「・・・あたし、も・・・・」
「?」
ヒノエはの顔を覗き込む。
は目に涙を溜め、顔を真っ赤にしながらも真っ直ぐとヒノエの目を見つめる。
「あたしも・・・ヒノエ君が好き・・・・」
「大好き」
ヒノエはの唇をふさぐ。
今度は優しく、愛しむような口付け。
最初は唇をあわすだけだったが、次第にヒノエの舌がの中へと入り込む。
はぎゅっと目を閉じてヒノエを受け入れた。
戸惑うの舌をヒノエは絡めとり、吸い上げる。
すると、がビクッと身体を強張らせるが、すぐに力が抜けヒノエにされるがままとなる。
周りには水の音と荒い息遣いが響き渡る。
は途中で苦しくなりヒノエの背中を叩く。
するとヒノエが名残惜しそうに唇を離す。
解放されは荒い息遣いをする。
一方ヒノエは息一つ乱していない。
「ふふ、大丈夫かい?」
「なん・・・・とか・・・」
一生懸命呼吸を整えようとするの頭を優しく撫でて、ヒノエは唇を耳元に近づける。
「覚悟しなよ。俺の可愛い姫君」
fin.
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