10話 気持ち
なんで?
何で教えてくれなかったの!?
そりゃあ、最初は疑われてただろうけど最近は違うと思ったのに。
私の勘違いだったの?・・・・
は周囲の視線も気にせず走った。
そして会場から離れた、大きな滝のところぐらいまで来た。
周りには水の落ちる、盛大な音しか聞こえない。
そんな中、は涙を流し続ける。
そうだよね。私みたいな人を信用しろって言うほうがおかしいんだし。
それに熊野の為だもん。ヒノエ君がどれだけ熊野が大切か知ってるし。
いくら仲良くなれたからって、疑われてることには変わりないんだから・・・
でも・・・ヒノエ君に信用してもらえなかったことが凄く、悲しい・・・
は声を押し殺して泣き続けた。
周りには大量の水が流れる音とほんの微かに聞こえる泣き声が響き渡る。
一人で泣き続けていると、誰かに後ろから抱きしめられた。
驚いたは後ろを向こうとしたが、強く抱きしめたれて動くことができなかった。
「ごめん・・・」
轟音が鳴り響く中、とても近くに聴こえる声。
その声の持ち主であるヒノエの体は熱くて、荒い息遣いをしている。
どうやら走ってきたようだ。
は下を向く。
「今まで教えなくてごめん。
でも、お前を信用してなかったからというわけじゃないんだ・・・」
切羽詰ったような声。
その声が彼の気持ちを物語っている。
砂姫は泣くのを押さえながら、必死に言葉を紡ぐ。
「・・・・ヒノエ君のせい、じゃ、ない、よ。
いきなり、現れたわたし、を居候、させてくれたりして、くれて、面倒見てくれて・・・
感謝しなきゃ、いけないのに・・・なのに、ヒノエ君を責めるなんて、お門違い、だもん。
ひどいこと言って、最低、だよね・・・」
泣き止まないをヒノエは今度は正面から抱きしめる。
そして「ごめん・・・」と呟きながら、を宥めるように頭を撫でた。
「落ち着いたかい、姫君」
「うん・・・」
はヒノエから離れ、ヒノエもを離す。
「その、ごめんな。秘密にしてて・・・」
「ううん!立場上しょうがないことだもん。私が勝手に怒ってちゃったんだもん・・・」
「でもそれは只のいい訳だろ。言わなかったせいで、お前を傷つけた・・・
ごめん・・・」
「私のことは気にしないで!そりゃ、ちょっとは悲しかったけど・・・」
あっ、そっか・・・
あたしヒノエ君が好きなんだ
だから、あんなに悲しかったんだ
「姫君?」
「あっ、ごめん。何でもない!」
はそのまま誤魔化し、結局お互いに謝りあって屋敷に帰った。
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不完全燃焼・・・_| ̄|○
何がしたかったのだろうか、自分・・・