「それって2年連続MVPを取った桜木さんのことだろ?」






はばっと振り返ると、そこには仙道が居た。
は驚いた顔で彼の顔を見、流川は多少驚いているのか目がいつもより開かれている。
一方仙道はにこにこと笑いながらこちらに歩いてきた。


































Time left behind to me 〜私に残された時間〜番外編































「3年前の夏の県大会。
選手に恵まれないながらも決勝まで行きつき。
32対24で負けてしまったが2年連続でMVPを取った桜木選手。
その後、選抜にも選ばれるがその誘いを辞退。
二度と表舞台には出てこなかった」



「ど、どうして・・・?」
「俺もその試合、見てたんですよ。
それにこの間さんに会ったとき似てるなぁ思って、うちのヤツに調べさせたんです」



そう言って仙道はにっこりと笑った。



「何でアンタがいる」
「うん?たまたまこっちに用があってな。
そしたら興味深い話が聞こえて来たんでね」



「混ぜさせてもらったよ」と仙道は流川に言った。








「はぁ。なんで皆気づくかなぁ・・・」
「あの頃のさんインパクト強かったですから」








神に流川に仙道。それから牧。
彼は何も言ってこないが、もしかしたら気付いてるかも知れない。
寿や洋平は前から知っていたから別にいいけれど、高3に入ってからバレる確立が高くなってる。
原因は言わずもがな、バスケに再び関わり始めたせいだろう。













「どうしてバスケやめたんですか?」
「まぁ、色々あってね」
「・・・」





はなかなか口を割ろうとはしなかった。
仙道はそんな彼女に苦笑い。
一方流川は黙ってその様子を見ていた。








「そんなことよりも、二人で練習したら?1on1でもさ」








「いい練習になるでしょ」とは話題を変え、転がってるボールを取って流川にパスした。
すると流川がボールを返してきた。
何故ボールを返してきたのか分からず、流川の顔を見る。
が流川は何も答えず、逆に仙道が答えた。



さんもやろうよ」
「(こくこく)」



誘って来る二人。


彼らは現役バスケット選手で。
それに対して自分は高校に入ってからずっとやっておらず。
そんな自分が相手になるか怪しいもので。
しかもこの二人はそれぞれの学校のエースだ。
そんな二人を相手にしたらこっちの体が持たないのは明白である。


そう考えたはこの申し出を断った。








「いや、でもあたし下手だし。やめておくよ」
「2年連続MVPをとった人が何言ってるんですか。あ、もしかして負けるのが怖いんですか?」
「ほぉ〜」




















ブチッ!




















「何、ですって・・・?」







そう呟いたの後ろから炎があがってるように見えるのは気のせいだろうか。
は持っていたボールに力を込め、ギロッと二人を見る。















「誰に向かって口聞いてると思ってるの?



いいわ、二人まとめて相手してあげる。





                   あたしを怒らせたこと後悔させてあげるわ」















そして始まった2on1。
怒り心頭のの様子に反して、プレーはとても冷静で。
一瞬の隙を見逃さずどんどんと得点を入れていく。
本当にブランクがあるのかと思わせるプレーの数々に驚く彼らだが、如何せん負けず嫌いな二人。
手加減をしようと思っていたはずなのに、着実に本気になっていき夢中でバスケをした。


























































10分後。



は体力の限界を感じ、動きを止める。






さん?」






仙道は不思議そうな顔をする。
流川も汗をTシャツで拭きながらこちらを見た。



「今日はもう終り」
「もう少しやりましょうよ」
「だ〜め。あんたら二人相手にするの大変だし、そろそろ戻らなきゃいけないから」
「勝ち逃げ・・・」
「また今度、相手してあげるから」



「ねっ」と言うと二人はしぶしぶ引き下がった。



「それなら送っていきますよ」
「ううん。大丈夫よ。二人で練習してなさい」



「じゃあ、またね〜」と言うや否や、はものすごいスピードで走り出しあっという間に見えなくなった。
あまりの速さに二人は呆然とその様子を見ていた。








「嵐みたいな人だなぁ〜」
「・・・」
「なぁ、流川」








仙道は流川に声をかけた。
返事はしないながらも流川は仙道に目を向ける。








「お前さんのことどう思う?」
「・・・」
「俺はさんが好きだよ。お前は?」
「てめーには関係ねー」
「ふ〜ん・・・」








含み笑いをする仙道。
流川は仙道を睨んだ。
「まっ、いいけどな」と言って仙道は踵を返し。
軽く手を上げて、仙道はバスケットコートから出て行った。










「・・・ぜってー負けねー」










残された流川は仙道が居なくなった方向を睨みながら、小さく呟いた。


































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