奴らを倒すと、隊長の体から血が噴き出した。
隊長はゆっくりと崩れ落ちていく。
「隊長!」
私は隊長に駆け寄ろうとした。
が、その前に隊長は支えられた。
漆黒の髪を持つ少女によって。
私は知ってる。
今日黒崎一護と同じ教室に彼女が居たことを。
隊長が彼女を見て驚いていたことを。
その少女は隊長を見て顔を顰めた。
「・・・・だから、手伝おうかって言ったのに」
そう言って、少女はゆっくりと隊長を横たえた。
私は動くことができなかった。
金縛りにあったみたいに、体がこれ以上彼らに近づくことを拒絶している。
少女がこちらを向いた。
目が合った瞬間、思わず体が震えた。
彼女からは霊圧はほとんど感じない。
それなのに、なんだろう。
この、凄まじい威圧感は・・・・
少女はにっこりと笑った。
「そこのお姉さん。
冬獅郎はあたしが治療しておきますから、井上さんにはもう一人の・・・赤髪の男の人のところに連れて行ってあげてください」
「彼も怪我をしているようですから」と言って少女は微笑む。
「・・・あんた、一体・・・・?」
私は何とか声を発した。
気丈に振舞おうとしたが、自分でも声が震えていたのが分かった。
「あたしはただの人間ですよ。
ただ、この馬鹿で、小さくて、意地っ張りな少年の知り合いってだけです」
にっこりと笑いながら少女は悪びれもなく言った。
「・・・・・・・・・誰が、馬鹿だ・・・・・」
気を失っていたはずの隊長が声を発した。
隊長の悪態に少女は飄々と答えた。
「誰って、冬獅郎に決まってるでしょ。
ギリギリ解除が間に合ったから良かったものの、もしかしたらやられてたかもしれないんだよ」
「そう、いいながら・・・・手、出さなかったじゃ、ねぇかよ・・・・」
「先にクギ刺したのは何処の誰よ」と少女は肩をすくめて言った。
「まっ、とりあえず、治療しちゃわなきゃね」
少女がそう言うのと同時に彼女の霊圧が一気に高まった。
凄い霊圧・・・
隊長と同じくらい・・・いえ、隊長以上だわ。
あまりの高さに呼吸がどんどん荒くなっていく。
だが、それはすぐに収まった。
「大丈夫ですか?」
少女からは先ほどの霊圧が嘘のように消えていた。
「ここにいないほうがいいですよ。
井上さんを連れて、赤髪さんのところに行ってあげてください」
「・・・・松本、井上を連れて、阿散井のところに行け」
「こいつは敵じゃない」と言って、隊長は目を瞑った。
私は隊長の命令どおり、織姫を連れて阿散井のほうへと向かった。
彼女は一体・・・・・・
あのナイスバディなお姉さんが離れたのを確認してから、もう一度霊圧を上げる。
そして怪我しているところの上に手を添え、集中した。
当の本人はまた気を失ったようだ。
「・・・・・・・・久しぶりに会ったのに、怪我なんてしないでよ。・・・・馬鹿」
<< ◇ >>