藤代を使ってあたしは急いで人気のない所へ向かう。
建物の裏手に回って人が見えない所まで行き、ドサッとその場に座り込む。
「ぅ〜〜、いたい〜・・・・」
あまりの痛みに涙が出てきたよ。
あのバカ犬〜・・・
ひとまず足に負担がかからないように靴を脱ぎ、足を見る。
靴下の上からでも分かるぐらいに腫れてる。
・・・・これはヤバイかな・・・?
「」
いきなり後ろから声をかけられ、バッと後ろを向くとそこには亮と渋沢さんが居た。
「なんで、ここに・・・?」
「お前がこっちに来たのが見えたからな。・・・足、見せてみろよ」
「えっ、でも・・・」
あたしはちらりと渋沢さんを見る。
それに気付いた亮はため息をつく。
「こいつはお前の怪我気付いてたみたいだぞ」
「うそっ!?・・・そんなにあからさまでした?」
「いや、俺はさっきの様子がおかしかったんで三上に事情を聞いたまでだよ」
「それよりも足見せろ」
亮はそう言ってあたしが止める前に靴下を脱がした。
足を見た瞬間、亮も渋沢さんも驚いた顔をする。
「お前これヤバイだろ。昨日より悪化してるし」
「こんな状態では立っていることさえ辛いだろう?
監督かコーチに言って安静にしていたほうがいい」
あ〜、やっぱりこれって結構ヤバイ?
大丈夫と言って立ち上がろうと足に力を入れるが、激痛が走りとっさに亮に支えてもらう。
「、やっぱり「いいの」」
あたしは亮の言葉を遮る。
その続きは、聞きたくないから。
「心配してくれてありがとう。でも、あたしは皆の手伝いがしたいの。
一緒にサッカーをやれなくても、できることがあるならそれをやりたい」
だから、お願いだから皆に黙っててと言うと、亮と渋沢さんは顔を見合わせて。
亮はしゃがみこんでため息をつき、渋沢さんも苦笑いをする。
「あの・・・二人とも?」
「はぁ〜・・・お前な〜、そんなこと言われたら、ダメだって言えねぇじゃねえかよ・・・」
「こっちとしては有り難い申し出だからな」
「しょうがねぇ。とりあえず今はその足を何とかしようぜ」
そうだなと言って渋沢さんは何処に隠し持っていたのか、シップとテープを取り出しあたしの足を手当てしてくれた。
手当てを受けながら二人ともありがとうと微笑むと、亮はあたしの頭を軽く叩き、渋沢さんは優しい笑みを浮かべながら「どういたしまして」と言った。
あたしは心が温かくなったのを感じた。
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