前半7分。
水野のラボーナで藤代がとっさにシュート。
赤組が先制点を決め、1−0。
直後、水野が交代と言い渡され、桜庭がグラウンド内へと入った。
そして、白組ボールで始まった試合。
ボールをキープしていたカザくんはどこか上の空。
その隙を見逃さなかった亮は、カザくんからボールを奪いパスをする。
そこへ翼が大きく跳んでボールをカット。
「行けーーー!!翼ーーーー!!!!」
がそう叫んだ瞬間、翼がミドルシュートを打つ。
決まると思ったが、渋沢さんが横に飛んでボールをキャッチした。
思わず翼のほうを見ると、ボールをセーブされたというのに、とても楽しそうな顔を浮かべていた。
こちらの視線に気付いたのか、に目を向けた翼は口の端を上げ、すぐに走っていってしまった。
でも、少しだけ見た、彼の自信満々の表情。
とても楽しくて仕方がないみたいだ。
からは思わず笑みがこぼれた。
その後、藤代のバイシクルシュートを決め、2−0となった。
そこへ尾花沢の声がかかった。
「藤代!椎名交代!」
すると、それを聞いた藤代が抗議し始めた。
「俺が交代なんてありえない!!何考えてんですか監督!!
俺を落とすなんて間違ってるッスよ!」
藤代の言葉にほとんどの者が呆れ顔。鳴海にいたっては大笑いしていた。
「いいえ、間違ってはいないわ」
そこへ玲さんが助け舟を出した。(別に出さなくても良かったのに)←コラ
「このゲームでは最終選抜メンバーに確定した者から抜き出してるんですから」
「ってことは・・・」
「つまり、水野・藤代・椎名は合格」
そこまで言われて、ほとんどの選手たちがこのゲームの趣旨が分かりだした。
「待てよ!それじゃあこの試合・・・」
「交代させられた者から順に・・・
最終メンバーが決まる?」
慌てる小岩に、確信めいた答えを導き出すカザくん。
玲さんは楽しそうにカザくんの質問に答えた。
「そう。
これは20人の枠を争うサバイバルゲームなのよ。
残り17人。
このプレッシャーの中で生き残れるのは誰かしら?」
玲さんの言葉に腕を組んで頷く尾花沢。
思わず、「選手に圧されてたくせに、偉そうにしてんじゃねぇよ、このハゲ」と言ってしまったのはご愛嬌で。
固まる尾花沢を残して、ドリンクとタオルを後から合格した2人に持っていく。
「二人ともお疲れ様。水野くんも合格おめでとう!」
タオルをとドリンクを手渡すと、口々にお礼の言葉を言われた。
「まっ、当然だけどね。さっきん時のの応援、ばっちり聞こえたよ」
そう言って翼がウインクをする。
それを見たは恥ずかしそうに頬を染めた。
「いつもの癖で叫んじゃったのよ」
「悪い?」とそっぽを向き、頬を染めながらも恨めしそうな声で言うと、翼は呆れ顔になった。
「別に悪いとはいってないだろ。
ただ嬉しかっただけ。
ありがとな」
久しぶりに聞いた気がする、心の篭ったお礼の言葉。
しかも極上の笑顔付き。
間近で直視してしまって、顔がさらに赤くなったのは不可抗力だと思う。
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