テーピングについての本を片手に、隣に居る先生に分からないところを質問する。
「ここの怪我のときどうすればいいんですか?」
「あぁ、ここの場合・・・」
先生の言葉をノートに書きとめながら真剣に話を聞く。
そこへ、コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
「俺や」
「ちわ」
「カズ!ヨッさん!」
入ってきたのは、カズとヨッさんだった。
「来てくれてありがと」
「別にたいしたこつなかよ。ほら、ケーキ買って来てやったけん」
「わぁ、やった〜」
カズからケーキを受け取り、中身を見て自然と笑顔になる。
ショートケーキとチーズケーキ。
どちらも自分の好きなものだ。
「それじゃあ、僕は仕事に戻るから」
いつの間にか席を立っていた先生が声をかけた。
「はい。ありがとうございました」
「どういたしまして。あっそれから、」
「?」
「ナースコールは非常用だからね」
「・・・は〜い」
そういい残して、先生は部屋を出ていった。
カズたちは不思議そうな顔をして、説明を求めてくる。
「いや、たいしたことじゃないよ」
「ナースコール押した時点でたいしたこつあるっちゃね」
「いいから言え」
「うっ。実は・・・」
今から1時間前。
はリハビリも終わり、病室でのんびりしていたところ。
テーピングの本を持ってきていたことを思い出しそれを読んでいたのだが、いまいち理解できないところがあって。どうしたものかと考え、ここは病院なんだから先生に聞けばいいじゃないかと思い立ち、ナースコールで先生を呼び出したのだ。
ちなみに、ナースセンターのほうでは一体どうしたのかと心配したが、経緯を話すと呆れ声ながらも承諾し、先生を呼んでくれたのだ。
そして今までに至る、と。
「お前ナースコールをなんやと思っとう!?」
「反省してるって」
「は大物たい」
感心するヨッさんをよそに、この後カズによるナースコールの何たるかについて30分以上説き伏せられるのだった。
「ごめんって、カズ〜(泣)」
「まだ話は終わっとらんぞ!」
<< ◇ >>