02.予定
入学してから数日たった昼休み・・・
私たちは三人でお昼ご飯を食べていた。
ひとりは隣の席の司馬葵くんで、もうひとりが兎丸比乃くんだ。
司馬君は恥ずかしがり屋なのか全然しゃべらなくて、最初の自己紹介してもらったとき以来声を聴いてない。
兎丸君はとっても明るい子で、会って間もない司馬君の言葉を理解していた。
私は最初よりは分かるようになったが、兎丸君には敵わなかった。
「二人は何部に入ったの?」
「僕も司馬君も野球部だよ〜」
「(コク)」
「そうなんだ」
明るい声とは裏腹に昔のできごとが脳裏をかすめる。
「いっくよー!」
「ちゃんとミットの真ん中狙えよ〜」
「わかってるわよ!」
「ほら、とっとと投げろ〜」
「せかすな!!集中できないでしょ!」
「だからやってんだろ」
「なにそれ!?いじわる〜!!!」
二人でよくやった・・・
凄く楽しくて・・・
「・・・ぇ。ねぇ、ちゃんっ」
「えっ」
「どうしたの?」
「(おろおろ)」
二人は心配そうな顔をしていた。
私は笑ってごまかした。
「なんでもないよ。部活楽しい?」
「もちろん!ちゃんは部活に入んなかったの?」
「あたし?あたしは入ってないよ」
「ならさ、野球部のマネージャーやらない?
僕、ちゃんに入って欲しいな〜。ねっ、司馬君」
「(こくこく)」
「でも・・・」
「見学にだけでもきてよ。ねっ」
兎丸君の強い押しに負けた私は結局放課後野球部を見学することになった。
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