「ならさ、ちょっと打たない?」
「えっ!?」
私が驚いていると、いつの間にか彼は私の目の前に居た。
「ねっ、ちょっと打ってってよ」
「あっ、いえっ。練習の邪魔になっちゃいますし」
「びみょ〜に平気だよ〜」
「でもっ、」
「平気〜平気〜」
彼はそういいながら私の腕を掴んでグラウンドに戻った。
そしてバッターボックスに立って居た人に話しかけていた。
「雀〜、彼にちょっとバット貸してあげて〜」
「了承」
雀と呼ばれた人は私にバットを貸してくれた。
バッターボックスに立つと、キャッチャーがこちらを向いた。
「剣ちゃんのワガママにつき合わせてごめんなさいね」
「あっ、いえ。えと、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね」
「じゃ、いくよ〜」
彼がボールを投げた。
ストレート。
スパーン
「やっぱりバッターボックスから見ると違いますね〜。
よし、次お願いします」
2球目を投げた。
これもストレート。
カキーン
打たれたボールはどんどん伸びていってグラウンドの外に行ってしまった。
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剣菱のセリフの「彼」と打ってあるのはわざとです。