「さん。あんな約束をしてしまっていいのかい?」
「大丈夫です。あたしそれなりに体力ありますし。
それより、この道で今のところあってますか?」
只今第一メニュー、クロスカントリー実行中。
「うん、合ってるよ。今大体三分の一って所かな。
結構歩いて来たけど、このペースで大丈夫かい?」
「お気遣いありがとうございます。まだ全然大丈夫ですよ」
その言葉どおりはまだピンピンしていた。
「・・・さっきは部員が失礼なことを言ってしまったね。すまない」
牛尾は申し訳なさそうに言う。
それを見たはブンブンと手を振りながら否定した。
「キャプテンは何も悪くないんですから謝らないでください。
それにあたしも大人気なかったし。
・・・さっきは女は野球をしちゃいけないって言われてるみたいで嫌だったんです」
は少し悲しそうな顔をした。
それを牛尾は黙って見つめる。
「あたし、昔少しだけ野球やってたんです。
でも、男の子たちと混ざってやってると女相手だと本気を出せないからとか、手加減してやったんだってよく言われたから。
なんか悔しくて・・・結局そのまま野球をやめて、ソフトをやり始めたんです」
「さん・・・」
「こんな話面白くないですよね。いきなり変なこと言ってごめんなさい」
「いや、野球を好きな人がいることは嬉しい限りだからね。
今もソフトを続けているのかい?」
牛尾の言葉にの表情が一瞬だけ固まった。
だか、牛尾はそれに気付かない。
「いえ、中2あたりで止めてしまいました。けれど今もソフトも野球も好きですよ。
それよりも、もうちょっとペースをあげても大丈夫ですか?」
は明るく言った。
「僕は大丈夫だけど、君は大丈夫かい?」
「もちろん平気です!」
と牛尾は先ほどよりもペースを上げて歩き続けた。
そのころのセブンブリッチでは・・・
「監督、いきなりミーティングルームに呼び出して一体どうしたんです?」
紅印が不思議そうに尋ねた。
監督の指示により、レギュラー陣はミーティングルームへと集められた。
「今日はおぬしらに見てもらいたいものがあるんじゃ」
監督はそう言ってビデオをいれ再生ボタンを押した。
それは女子のソフトの試合だった。
部員たちはその白熱した試合に真剣に見入っていた。
「このピッチャーの子凄いわね」
「そうだね〜。かなり上手いよ」
技術、バッティングセンス、どれもそのピッチャーだけずば抜けていて、女子とは思えないほどの上手さだった。
そして試合が終了した瞬間、部員たちは皆驚愕した。
「監督・・・これは・・」
剣菱が監督に聞いた。
監督は静かに答える。
「このビデオはが最後に出た試合のものだ」
そこにはピッチャーマウンドに立っていたがメンバーと抱き合っているシーンだった。
「とーちゃくー!!」
が大声で叫ぶ。
二人はボロボロになりながらも宿に到着することができた。
「ごくろーさんだったな。お前ら合格。ついでに言っとくとお前らが一着だぞ」
「まじ?やったー!勝ったーー!!」
はまた叫んで、その場に倒れこんだ。
それを見たマネージャーたちが急いで近寄る。
「ちゃん、大丈夫ですか?」
「平気平気。さすがにちょっと疲れちゃっただけ」
が笑いながら近寄ってきた凪に答えた。
そこへ監督が口を挟む。
「、今日はマネの仕事しなくてもいいぞ」
「そしたらあたしは何しにここに来たのよ。ちゃんとやるわよ」
「ちゃん。無理をしないでください」
「そうだぜ。今日のところは休めよ。うちらだけで何とかするからさ」
「休んで欲しいかも・・・」
「そうだよ。今日のところは休んで、明日からよろしく頼むよ」
結局牛尾に止めを刺され、は先に休ませてもらうことになった。
もちろん負けた平部員(2・3年)たちには牛尾キャプテンの口添えもあって、きっちりと謝ってもらった。
こうしてvs平部員(2・3年)対決はの勝利となった。
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