「には他校の偵察をしてきてほしいの」
という百枝さんの言葉により、皆が合宿をしている間私は県大の試合を見に行っていた。
「ふう、疲れた〜」
連日球場に来ては試合を観戦しながらデータを取っていた。
「目ぼしい所は観たし、そろそろ帰りますか」
荷物を片付け、球場を出る。
時計で時間を確認しながら角を曲がってしまい。
「わっ!?」
「え?」
ドタンッ!
誰かにぶつかってしまった。
そのまま尻餅をついてしまう。
「いって〜。大丈夫ッスか〜」
「あ、ごめんね!大丈夫!?」
急いで立ち上がり、頭を下げる。
え?
うちの学校の制服?
ばっ、と顔を上げるとそこにはくせっ毛の少年で。
たしか利央って名前の子だ。
可愛いって上級生に人気だもん。
ん?ってことは他の野球部の人も居る?
「何やってるんだ利央?」
「あ、準サン」
ビクッ!
な、何でよりにもよって高瀬〜!?
思わず私は顔を背けてる。
「ぶつかったんスよ」
「大丈夫かよ、ってあれ?じゃん」
「ははは〜。こんにちは高瀬」
「あれ?知り合いッスか?」
「同じクラスなんだよ。何でこんなとこに居るんだ?」
「ちょっとね〜。じゃ、また学校で」
それだけ言って急いで駆け出す。
後ろで高瀬が何か言ってた気がするけど、この際無視だ。
私は猛スピードで家に帰った。
「それは大変だったな」
葵たちの家で夕飯を食べながら、今日あった出来事を話した。
「なぁ。他校のデータ取ってたんだろ?俺達にも流してよ」
「やーよ。私は西浦のマネなんだから。自分達で何とかしなさい」
「にしても、GW明けたら大変だな。高瀬と同じクラスなんだろ?」
「うん。今日のこと気にしてなければいいな〜・・・」
心配してくれる葵に感謝しながら、おかずを口に運ぶ。
相変わらずこの家の食事はうまいや。
私も見習わなきゃな。
「明日の浦和と武蔵野戦も見に行くのか?」
「あ〜、うん。そっちも?」
「その試合の後俺ら試合だから」
「そういえばそうだっけね。偵察ついでに応援しにいくよ」
「ついでかよ!」
涼が突っ込みを入れる。
葵は苦笑いをしながら、の頭をポンポンと軽く叩いた。
「何かあったら俺達のところに来いよ」
「・・・うん。ありがとう」
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