ファイ オッ
ファイ オッ
ファイ オッ ・・・
「声が小さーい!!リズムが崩れちゃうよー!!」
百枝さんの自転車の後ろに乗りながら声をかける。
皆顔を真っ赤にして走る。
こりゃあ度胸つくだろうなぁ。
「にっにしうらっっ」
ファイ オッ
ファイ オッ
ファイ オッ ・・・
「やっ、やっと着いたっ・・・」
花井が泣きそうになりながら言った。
相当恥ずかしかったみたい。(そりゃ恥ずかしいわな)
球場内に入り、空いている三塁側に向かった。
私は百枝さんの隣に座り、いつものようにノートを取り出し準備をする。
ガシャン!
「タカヤ!」
久しぶりに聞いた声。
顔を上げて声のしたほうを向くと、懐かしい人が居た。
会いたいけれど、会いたくなかった人。
彼は私に気づいてないらしく別の、タカヤという昔よく彼から聞いた人物の名を呼び続けている。
そして阿部がゆっくりとフェンスに近づいていった。
タカヤって阿部のことだったんだ、と理解する。
何言か二人が会話すると、秋丸もやってきた。
秋丸に説教されている姿を見て、相変わらず元気にやっているみたいで少し安心する。
「オイ、試合終わるまでいろよ」
「こっちも団体行動中ですから」
「なんだあ、そのモノイイ・・・」
言いかける途中で偶然にもバチッと目が合う。
その瞬間、彼、榛名元希は驚いた顔をした。
「!?」
や、やばい・・・バレた!
皆は私と元希が知り合いだったとは思わなかったらしく、一斉にこっちを向く。
「何でこんなとこにいんだよ!?ってか今までどこに・・・」
「百枝さん、ちょっとトイレ行って来る」
元希と目が合わさないように百枝さんに耳打ちして、そそくさとその場を離れる。
「あっ!待てよ!!」
元希の呼び止める声が聞こえたけれど、私は逃げるように走った。
これ以上元希の声を聞いていたくなかったから。
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ヒロイン、逃げてばっかだな。
榛名とヒロインは知り合いです。
この後再び双子登場。