観客席に戻ると、ちょうど楓がダンクを決めたところが見えた。
Time left behind to me 〜私に残された時間〜19
「派手な奴だ・・・」
「どっ・・・どこ行ってはりましたんや、仙道さん!!って、あれ?貴女は・・・」
仙道が戻ってきた事に気付いた彦一は彼に事情を聞こうとした。
しかしその前に仙道の後ろに居たに気付き、近くにいた越野もこちらに目を向けた。
「こんにちは。確か、彦一くんと陵南の・・・6番の人、だったわよね?」
「ええ。2年の越野宏明です」
「わいは1年の相田彦一といいます」
「あたしは3年の。よろしくね」
は笑みを浮かべながら自己紹介すると、二人は少し顔を赤らめた。
「桜木のイトコなんだって」と仙道が言うと、二人はとても驚いた顔をした。
「えっ!?アイツの!?・・・全然似てませんね」
「あんなのに似ても嬉しくないよ」
「知らんかったわ!!チェック不足やった!」
「そんなデータ必要ないと思うけど・・・」
二人の言葉に思わず突っ込みを入れる。
仙道はその様子を楽しそうに見ていた。
「あ、そや!流川くんスゴかったんですよ、仙道さん!!」
「見てたよ・・・ちょっと海南の牧さんに会ったんでな」
思い出したように仙道に先ほどのことを報告する彦一。
しかし仙道の口から思いも寄らない人物の名を聞き、彦一は大きく目を見開いた。
「牧さん!?牧さんですて!?
海南の牧さんゆうたら県内一の要チェック人物やないですか!!
なんで、はよ教えてくれへんのですか、仙道さぁぁん!!」
騒ぎ出す彦一に仙道は「まだどっかいるだろ・・・」と呆れ顔で言うが、彦一は聞いてない様子で。
「ウルセーぞ彦一!!」と越野に怒られていた。
「牧のどこがいいのよ。あのふけ顔の薄情者!」
「まぁまぁ。バスケに関して牧さんは注目されてる選手だから」
「人間としては最悪よ。人のこと見捨てていきやがって・・・」
悪態をつく。
一方、牧がを見捨てることになったそもそもの原因である仙道は、楽しそうに笑顔を浮かべていた。
ピィィーーーーーーーーー!!!
笛が鳴り、いつの間にか前半が終わってしまった。
24−42。
湘北がリードしている。
「このまま湘北がつっ走るかな?それとも三浦台が押しとどめるかな?」
「どうだろうな。このまま三浦台が終わるとは思えないけれど」
「・・・仙道くん、いつの間にか敬語が消えたよね」
「あっ、ダメ?」
ふといつの間にか仙道が敬語を使ってないのに気付いた。
そのことを口に出すと、気まずそうに許しを請う仙道。
いつもの飄々とした様子は何処にいったのやら、彼の意外な一面を見た気がした。
「別にいいよ。特別に許して差し上げましょう」
「サンキュ、さんw」
仙道は嬉しそうな顔でお礼を述べる。
も仙道の嬉しそうな表情を見て、自然と笑みがこぼれた。
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